ふらんす読聴日記

フランス、読書、ラジオ好きのブログです。

日記のススメ。他人の日記を読むもまたいとをかし。

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日記を書いていますか?もしくは書いたことがありますか?

『人生は一冊のノートにまとめなさい』という本を読んだら、私も毎日自分の記録を書きたくなりました。ちなみにこの本には筆者一押しのノートやペンの紹介もあるので、ステーショナリーフリークには胸アツです!(^^)!

本書によると、毎日記録を付けると「自分がどれだけ成長できたのか」可視化できるようになるそうです。子供の頃は周囲が「こんなことできるようになったんだね」などと褒めてくれますが、大人になると自分の成長を実感するチャンスががくんと減るものです。マラソンの有森裕子選手ではありませんが、「自分で自分を褒めてあげる」ことができるようになるんだそう。

私も昔の日記を読むと、「考え方が幼いな」「随分つまらないことで悩んでいるな」と思うこともよくあるので、そういう意味では成長できているのかもしれません。逆に、昔のフレッシュな気持ちを思い出して、初心に返ることもできます。

人の日記を読むのも、ある意味面白い。母の日記をこっそり…

日記は自分で書くのも面白いですが、人のを読むのも面白いです。とはいえ、日記は元々人に読ませる前提のものではないので、自分以外の日記を読むときには少し背徳感を感じます。私も昔、母の昔の日記を勝手に読んだことがあります。ちょうど家庭不和だった時らしく、なかなか壮絶な内容で「お母さんも苦労したんだな」と、それ以来母に対してちょっと優しくなれた気がします( ˘ω˘ )日記の中には、「お母さん」ではない一人の人間としての彼女がそこにいたのです。

日記関連でおすすめの小説 谷崎潤一郎『鍵』

谷崎潤一郎の『鍵』は、他人の日記をこっそり覗き見している気分になれる、刺激的な小説です。ある夫婦の日記なのですが、夫の日記と妻の日記が交互に展開されていきます。二人の日記を読む読者も、ある意味で二人の共犯者になるのです。夫の方の日記は片仮名文で読みにくいのですが、そんなことが気にならなくなるほど、いつの間にか引き込まれます。ラストはかなり衝撃的で、ゾッと恐ろしくなるほど。陰湿なエロティシズムに満ちた、非常に日本らしい小説だなと思います。他人の日記を盗み読みするのが好きな「いけない人」はこっそり手に取ってみてください。